ヴァンセンヌは私にとってある意味本拠地であるため、頻繁に訪れます。
したがって、ヴァンセンヌ城の外観は百回以上見ているように思います。
そんな私ですが、今回初めて城の内部に足を踏み入れました。
城門
ヴァンセンヌ城はヴァンセンヌの森に隣接しています。
森での狩猟のために12世紀に築かれた館からこの城の歴史は始まります。
シャルル5世治世の1370年ごろに主塔が完成します。
百年戦争の只中にあったため、城壁も整備されました。
ヴァンセンヌ城主塔
ヴァンセンヌ城はフランス史で幾つかの重要な役割を担いました。
太陽王ルイ14世はご存じのとおりブルボン朝最盛期の王でした。
その彼がこの城にしばしば滞在したそうです。
主塔に掛かる唯一の橋
16世紀以降、主塔は監獄としても利用されました。
啓蒙思想家ドゥニ・ディドロは唯物論を唱えたためにここに投獄されました。
監獄跡にはその原因となった著作『盲人書簡』が並べられています。
地下監獄(ダンジョン)
フランス革命以降は武器保管庫として利用されました。
ナポレオンがヴァンセンヌの軍事機能を強化しています。
また、ルイ18世は敷地内に武器の館を建設しました。
歴史を感じさせる城壁
フランスの陸・海・空軍に纏わる資料がこの城の古文書館に集められています。
また、考古学の発掘現場としても極めて貴重な地とされています。
主塔の修復工事は現在も続いています。
修復中の回廊
さて、ヴァンセンヌ城はパリ市内にあるにも拘らず、観光客はそれほど訪れないと聞きます。
それは一つには、ベルサイユ宮殿やロワール地方の古城のような絢爛さに欠けるからでしょう。
訪れる前に知っておくべきは、この城は近代の城ではなく中世の城だということです。
ふと歩みを止めてみると、当時の技術・技巧が城内にちりばめられていることに気付くはずです。
天井を支える石柱
ヴァンセンヌ城の入城料は8.5€。
なお、9.5€の特別ツアーに申し込むと、さらに上の階も見学できるそうです。
聞いてないのですが・・・
ここから先は特別ツアーの参加者のみ進めます・・・
ヴァンセンヌ城(フランス語)
http://www.chateau-vincennes.fr
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