2014年8月31日日曜日

東北復幸祭

8月30日(土)、31日(日)、パリで東北復幸祭が開催されました。

パリに本部を置くOECDが実施しているプロジェクト「OECD東北スクール」。

それに参加する福島、宮城、岩手の学生が、活動の一環として祭りを企画しました。

場所はエッフェル塔前の広場、シャン・ドゥ・マルス公園。

シャン・ドゥ・マルス公園

では祭りをのぞいてみましょう。

大学のブース

東北大学、大阪大学、関西大学が大学案内のブースを出していました。

メッセージボード

東北に送られたメッセージがはられた時計。

針は地震発生の時刻をさしています。

行政ブース

宮城県庁と岩手県庁のブースです。

東北地方の産品の安全性をアピールしています。

サンバ!

中高生は元気いっぱい。

さんまdeサンバです。

キビタン!

福島県復興シンボルキャラクターの「キビタン」もサンバです。

モチーフは福島県の鳥の「キビタキ」です。

「きびだんご」ではありません。

某県の「タン」がつくキャラクター並にかわいいですね。

ちょっと似てるし。

語り

学生たちが被災時の状況を語っています。

表現力豊かに、力強く、堂々と、自身の記憶と気持ちを話してくれました。

彼女たちの心のこもった語りに聴衆はじっと耳を傾けます。

ペーパーなどを見ずに真っ直ぐに人々に語りかける姿は立派だと思いました。

兵庫県も阪神淡路大震災を経験しました。

そのとき私は神戸で暮らしていました。

彼女たちと同じくらいの年齢でした。

懸命に前を向こうとする学生たち姿を見て、阪神大震災当時のことをふと思い出したのでした。

2014年8月28日木曜日

パリ・ミッドナイトツアー

展覧会などのイベントが近づいてくるにつれてますます忙しくなる今日この頃。

毎日残業、週末は引きこもり、夜中まで作業の日々です。

そんな夜にはパリでの懐かしい暮らしがふと思い出されます。

例えば、

パリ・ミッドナイトツアーだワン

夜中のパリ市内サイクリング。

パリ市内は年中観光客でいっぱい。

しかし、さすがに夜中に観光客はいません。

観光名所をゆっくりと見学できます。

シャンゼリゼ大通りと凱旋門、深夜0時

夜中にメトロは走っていません。

だけど、パリ市内にはベリブという貸自転車があります。

利用登録をすれば、30分間無料で自転車を借りれます。

エッフェル塔、深夜2時

30分以内に別のステーションに自転車を返さなければ課金されます。

なので、それまでにステーションを見つけて自転車をチェンジしましょう。

夜のエッフェル塔は無機質な鉄の塊に見えます。

セーヌ川、深夜3時

ワインをかばんに詰め込んで、飲みたいところで飲む。

コップと栓抜きとおつまみを忘れずに。

セーヌが貴方を待っています。

ルーブル美術館、深夜5時

注意すべきこともあります。

パリの夜は冷えるので、防寒対策はしっかりと。

2008年6月下旬に敢行しましたが、寒くて凍えました。

パリの夜なので、防犯対策はしっかりと。

パリの地理と治安に詳しい友人と一緒に巡りましょう。

いや、本当に危険なのでよい子のみんなはマネしないでね。

夜明け前のパリ

2014年8月25日月曜日

8月下旬のパリ

ここフランスではヴァカンス期間真っ最中だというのに、私は極端に忙しい日々を送っています。

皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。


さて、そんなときでもパリは様々な顔を見せてくれます。

例えば…

パリ・プラージュ

パリ・プラージュは忙しくて?ヴァカンスに行けない人々のための人工砂浜。

毎年夏になるとパリ市がセーヌ川沿いにプラージュを造ります。

今年は8月17日に終了しました。

それにしても今年のパリは涼しいですね。

奇跡のメダイユ教会

パリ7区、ボンマルシュ付近にある奇跡のメダイユ教会

メダイユとは「メダル」のことです。

1832年、パリでコレアが流行しました。

疫病蔓延の最中、聖カテリーヌが聖母マリアのお告げを夢の中で聞きました。

マリアは、メダルを造って人々に配るという使命を聖カテリーヌに与えました。

聖カテリーヌがミッションに従いメダルを配布するにつれ、コレアの流行が収まったそうです。

現在、メダルは教会に併設されているブティックで販売されています。

なお、たくさん集めても景品はもらえません。

サン・ジャックの塔

サン・ジャックの塔はパリ4区、シャトレ駅付近にあります。

かつて、ここが巡礼の旅サンディエゴ・コンポステーラの起点でした。

巡礼者はここからスペインへの長い旅に出発したのです。

ちなみに、7月上旬から9月中旬の金・土・日のみ、この塔に登ることができます。

パリの中心からパリ市街を見下ろせます。

エッフェル塔、モンパルナスタワー、モンマルトルの丘とは違ったパリの風景が楽しめるそうです。

シャンゼリゼ大通りと凱旋門

市内某所から撮影したシャンゼリゼ通りと凱旋門。

パリにいることを実感する瞬間です。

サン・テティエンヌ教会、23時

パリ郊外イシー・レ・ムリノーにあるサン・テティエンヌ教会

1645年に建築が終わったこの教会には、7世紀に造られた部屋が残されているそうです。

付近は閑静な住宅街。

ナポレオンが建てた城塞の跡地に住宅が次々に建てられています。

2014年8月24日日曜日

9月のイベント2

さて、先日お知らせしたイベントのチラシが届きました。

ご参考までに。

http://blogdelivres.blogspot.fr/2014/08/blog-post_11.html

1 イベント「Moe Matsuri」


メイン会場はトスカーヌ広場。

ショッピングモールをひたすら進み、駅とは反対側の出口を目指してください。

「痛車」たちが皆さまをお待ちしています。


サブ会場はアリアーヌ広場。

RER A線ヴァル・ドゥロップ駅前の広場です。

なお、当イベントはコスプレ可です。


2 展覧会「ジャポニスムからアール・ヌーボーへ」


AFIJAN1900主催、兵庫県とセーヌ・エ・マルヌ県経済振興公社協賛の展覧会。

19世紀後半から20世紀初頭にかけての西欧ジャポニスムブーム。

当時の貴重な資料やオブジェを眺めながら、その歴史を概観することができます。

パリ2区の兵庫県パリ事務所が会場です。

2014年8月23日土曜日

南ヨーロッパの旅 ― 温泉の町ダクス2

長らく続いた南ヨーロッパの旅シリーズも最終回を迎えました。

日本庭園

日本文化が大好きなティエリさんは自宅に日本庭園を建造中です。

さっそく案内してもらいました。

今後は竹を植えて隣家の壁を隠します。

また、茶室を作ります。

あと1年で完成させたいとのことです。

完成後、またお邪魔しますね。


日本庭園、建造中

自然博物園マルケーズ

ティエリさんと奥さんのソフィーさんと一緒に地方文化学習に出かけました。

訪れたのは自然博物園マルケーズ。

サブルという町にあります。

この博物園では、古い民家や小屋をそのまま保存しています。

そして、かつてのランド人たちの暮らしがよくわかる展示をしています。


民家

この地の産業は、まずは畜産でした。

羊、豚、鶏を飼育し、食肉や羊毛を得ていました。

次に、繊維業がありました。

羊毛以外にも、麻を栽培して糸を紡いでいました。


作業小屋の展示

そして、林業がありました。

ナポレオン三世がこの地域に松を植える事業を進めました。

松脂を石鹸などに加工しました。

また、松の木を建築資材として利用しました。

かつては80年から90年くらいで松を切りました。

現在は50年くらいで切るそうです。


松産業についての解説コーナー

家族連れが多く、園内でのんびりと過ごしていました。

子供たちには、今はそれぞれの展示の意味がわからないかもしれません。

でも成長した暁には、かつてここに来園したことを思い出してくれるでしょう。


ピクニックタイム

そして、興味関心と共に再び訪れ、多くを学習してくれるでしょう。

「現代社会の発展に疑問を呈しながら、今日この事業が進められています」。

パンフレットの冒頭の言葉です。

旅の終わりに

以上、16日間の旅を終えて、TGVでパリに戻っています。

旅は願望と妥協の連続。

行きたい場所がたくさんある、だけどお金も時間も限られている。

アヴェロンとダクス以外ではユースホステルに宿泊しました。

暑さや騒々しさでなかなか眠らない夜もありました。

様々な国からやって来た人たちと様々な会話をしました。


ローマダウンタウンYHにて

都市間の移動に鉄道、バス、自動車を利用しました。

私の座席を占領して寝ているおっちゃんに2度遭遇しました。

iDBUSの旅は思いの他快適でしたが、初めての利用でやはり不安でした。

自動車相乗りシステムは今回ぜひ利用してみたいと思っていました。

交通手段と宿舎の大部分は2か月以上前に手配しました。

相当に安く旅ができたと思いますが、実際はどうなのかよくわかりません。

旅は判断の連続。

思い通りにいかないことも多々あります。

思わぬ事件に巻き込まれることもあります。

それらにいかに対処するか、判断力が問われます。

旅は出会いと別れの連続。

様々な個性をもつ様々な人々に出会いました。


カルカソンヌのミシェルさん

たくさんの友人たちに再会することができました。

異国の地で普段はなかなか会えない友人に会いに行くのが好きなのです。

その友人たちがまたおいでと言ってくれています。

そんな友人たちがいる限り、また新たな旅が始まるのです。


お世話になった皆さん、ありがとうございました

2014年8月22日金曜日

南ヨーロッパの旅 ― 温泉の町ダクス

アキテーヌ地方ランド県ダクスが旅の最終訪問地。

目的は友人に会うことです。

温泉

ダクス町内には温泉療養施設が多くみられます。

年間5万人以上が訪れるそうです。

1週間以上の滞在型施設となっているそうです。

なので、日帰り入浴はできないようです。

残念。


65度の温泉が湧き出ています。

茶道

今回訪ねたのは、フランス人ティエリさん。

ダクス近郊のレスプロンという村に住んでいます。


若者たちが森で遊んでいます。

村の中心部で13世紀の教会が佇んでいます。

コンポステーラ巡礼者が多く訪れるため、宿泊所なども用意されています。


ティエリさん(右)とソフィーさん(左)

ところで、NPO団体四国夢中人が2010年にフランス人5名を招待しました。

四国の文化を体験してもらい、フランスに広めてもらうという企画でした。

そのときに選ばれたのがティエリさん。

文化体験ツアーをコーディネートしたのが私。

以来、個人的にも交流を続けています。

ティエリさん(左)

翌年、ティエリさんが再来日しました。

その時は高松市の栗林公園でお茶をたててもらいました。

そう、ティエリさんはお茶の心得があるのです。


お茶会

今回も抹茶をいただきました。

結構なお手前で。

2014年8月21日木曜日

中世市場都市プロヴァン7 ― プロヴァンバラ園

さて、プロヴァン音楽アカデミーのコンサートの前にはプロヴァンバラ園に行きました。

かつて、プロヴァンはバラの有名な産地でした。

この私有のバラ園は、伝統のプロヴァンローズを大事に守り続けているのです。

プロヴァンバラ園

園内にはプロヴァンローズ以外にも様々な種類のバラが咲き誇ります。

その数なんと300種以上!

バラたちに囲まれて、園内では音楽院の教員や生徒によるコンサートが度々開催されます。

園内の様子

園内は様々なコンセプトに沿って整えられています。

オリエント、聖堂、エデンの園、印象主義…

所有者のブルノーさんが毎日丁寧に手入れをしています。

プロヴァンローズ

かつては苗木屋だったこのバラ園。

2008年に開園しました。

入園料は6.5ユーロ。

日本語のガイドも用意されています。

園内ではバラの香りに包まれて優雅な一時を過ごせることでしょう。

おまけ

プロヴァンからは、セーヌ・エ・マルヌ・エクスプレス50番線に乗って帰りました。

終点はマルヌ・ラ・ヴァレ・シェシーです。

目の前にディズニーランド・パリがあります…。

というわけで、本日のお城です。


ディズニーランド・パリ、23時


プロヴァンバラ園ウェブサイト(仏語)
http://www.roseraie-provins.com

2014年8月20日水曜日

中世市場都市プロヴァン6 ― プロヴァン音楽院

8月19日(火)、プロヴァン音楽院にお邪魔しました。

当音楽院は2つの音楽学校の合併により数年前に誕生しました。

新たな校舎と学園長を得て、活動の幅を大きく拡げてきました。

声楽、ピアノ、ヴァイオリン、ギター、ハープ、フルートなどのクラスを開講しています。

現在、子供から大人までおよそ300人の生徒がレッスンを受けています。

また、2人の日本人が教鞭を執っています。

柔道場やダンスホールも併設されています。

プロヴァン音楽院校舎

この日はまず音楽アカデミーを見学しました。

これは、世界的に有名な音楽家が教師を務める集中レッスンで、今年度から開始されました。

プロを目指す若き音楽生にとって、一流の音楽家の指導を受けられる貴重な機会です。

フランス人のみならず、スペイン人や日本人が受講していました。

アカデミーの科目は声楽、フルート、ハープ。

彼らは朝から晩までレッスン漬けの1週間を過ごします。

さらに、プロヴァンの素敵な一軒家に滞在でき、食事も提供されます。

宿泊先のサロン

次に、学院内で開催されたコンサートを聴きました。

教師陣によるフルートとハープの演奏会です。

地元の人たちがたくさん来場していました。

コンサートの様子

ハープを演奏している方が、今回招待してくれた東海林悦子さん。

2001年からフランスで音楽活動を始めました。

以来、ヨーロッパ各国のコンクールで多くの賞を受賞しています。

現在はパリでハープを教える傍ら、プロヴァンにも指導に通っています。

そして、音楽と観光の分野でプロヴァンの発展に尽力しています。

楽院長

楽院長のセバスチャンさんはコーディネートの天才。

音楽生時代に様々なコンサートを企画・運営しました。

あるとき、先生に言われたそうです。

「君は音楽よりもコーディネートに才能があるね」。

その言葉で目覚めた彼はその後ますます才覚を発揮。

若くしてプロヴァン音楽院の楽院長に抜擢されました。

生徒のために朝食を用意しているのは彼です。

また、プロヴァンに初めて来る生徒の送迎を欠かしません。

この楽院長の存在もプロヴァン音楽院の魅力の一つです。


プロヴァン音楽院ウェブサイト(仏語)
http://www.conservatoireduprovinois.com
プロヴァン音楽アカデミーウェブサイト(日本語)
http://acaprovins.wix.com/japacaprovins

2014年8月19日火曜日

南ヨーロッパの旅 ― バスク地方の旅2

アングレット

バイヨンヌ市街地からバスでアングレットに移動。

バイヨンヌ、アングレット、後述するビアリッツはコミューンを形成しています。

これら三都市を結ぶバスの運賃がとても安く、路線も充実しています。

1回券は1ユーロ、1日券で2ユーロです。


大西洋が見えてきた。

さて、アングレットまで来ると大西洋はすぐそこです。

多くの人が海水浴を楽しんでいます。

住宅が多く、とても静かな環境です。


アングレット海水浴場

海岸沿いにはレストランやバーが並んでいます。

海を見ながらグラスを傾けるなんて、この人たちなかなかオシャレですね。


大西洋、夕方19時

夕暮れ時に訪れると、夕日が大西洋の稜線に沈んでいく様子が見られます。

夕食はアングレットの海の見えるレストランで食べました。

たまにはこういうのもいいものですね。


海の見えるレストランで

ビアリッツ

海岸遊歩道から

アングレットとはやや様相が異なるビアリッツ。

一目でわかるリゾート地です。


こんな家ばかり

海が見える高台にはお城のような邸宅が立ち並んでいます。

ヴァカンス客は海水浴やカジノに興じています。

その傍らで、ビアリッツ灯台が航海する船を静かに見守っています。


灯台付近から見たビアリッツ市街

2014年8月18日月曜日

南ヨーロッパの旅 ― バスク地方の旅

過去、様々な海を見てきました。

日本では太平洋、日本海、瀬戸内海…。

フランスでは地中海と北海。

しかしあるとき、大西洋を見たことがないことに気づきました。

というわけで、次の目的地は大西洋沿いの街です。

トゥールーズ

バイヨンヌ行の電車にトゥールーズから乗車。

トゥールーズはミディ・ピレネー地方オート・ガロンヌ県の県庁所在地です。

「バラ色の街」や「スミレの街」と呼ばれます。


トゥールーズ市街(2008年撮影)

アルビ同様、レンガ造りの建物がバラ色の街の名の由来です。

トゥールーズにはスミレの群生地があり、かつての産業を支えていました。

パリ、リヨン、マルセイユに次ぐ人口圏を誇ります。

近年では航空産業が経済を牽引してきました。


ガロンヌ川(2008年撮影)

さてさて、電車待ちのために少し時間があったので、市内を散策。

でも道に迷って行きたい場所に行けませんでした。


キャピトル広場(2008年撮影)

なお、トゥールーズ訪問は3度目です。

バイヨンヌ

バイヨンヌはアキテーヌ地方ピレネー・アトランティック県の県庁所在地。

フランスバスク地方の中心都市です。

バスク地方とは、北スペインと南西フランスにまたがる地域を指します。

バスク人が暮らす地域のことで、独特の文化が見られます。

まず目指したのはサント・マリー大聖堂。

コンポステーラ巡礼路として世界遺産に登録されています。

きれいな中庭も必見です。


サント・マリー大聖堂

次に街を散策しました。

商店街は三角の旗で装飾されています。

緑、赤、白はバスクの国旗の色です。

ハム、チーズ、チョコレート、服飾品のお店が並んでいます。


バイヨンヌ市街地